一人でお酒を飲むのに慣れていた。
キャリアウーマンと呼ばれ、 「いつも疲れているね。少しお休み」 驚いて見上げるとバーテンダーが店の出口を視線で指し示す。 桜色のカクテルはほのかに懐かしい甘い香りが漂った。心に忘れていた何かがよみがえるのを感じた。 |
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あのカクテルをもう一度味わいたくて、私は何度も店に通った。 しかし、彼が調合したあのレシピは店のバーテンダーでも再現ができなかった。 終いには私は会社を辞めてバーでバーテンドレスとして修行を始めた。 バーカウンターの前に様々なドラマが繰り広げられる。 バーカウンタの中で夜桜の下で香る仄かな香りに心が満たされて行くのを感じた。 |
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あれから5年。
権利書に会社印を押す瞬間に小さく手が震えたが、 店の看板を掛けているときに後ろから声がかかる。 彼は桜の老木ばかりを扱う樹医だった。 「いらっしゃいませ」 私は彼を店に迎え、シェーカーを振った。グラスに注がれたのは仄かに桜色のカクテル。 |
キャスト・・・・・・あなた
スタッフ・・・・・・実印・表札・はがき
Presented by・・・・・・はんこ屋さん21 川西店